>>36 ところが海外にはあるんだな、男女逆転したタブーが。そもそもイヴもロトの妻もタブーを破ってしまう側だし。
フランスの詩人シャルル・ペローによる童話『青髭』でも、タブーを破るのは女。それがこんな話。
ある所に父親と3人の息子と1人の美しい娘が暮らしていた。ある日、1人の資産家の男が美しい娘を見初め、嫁に欲しいと申し出てきた。
男は青い髭をはやし、風貌から『青髭』と恐れられており、今までの妻が行方不明になっているという噂もあったため、娘は結婚を嫌がった。
しかし青髭の熱意に根負けし、ついに承諾してしまう。 青髭の屋敷は豪奢を極め、彼との暮らしは何1つ不自由がなかった。
ところがある日、青髭が家をしばらく留守にすることになる。青髭は家の鍵すべてを娘に預けたが、小さな金色の鍵の部屋だけは入ってはいけないときつく念を押して外出した。
娘は屋敷に友人を招いたり、珍しい物のある部屋を見て回ったりとしばらくは楽しんでいたが、やがて飽きてしまう。
そうなると、入ってはいけないと言われた部屋のことが気になり、誘惑に負けて問題の部屋に入ってしまう。
期待しながら鍵を開けると、言葉を失った。なんと部屋には大勢の女の死体がぶら下がり、床や壁一面に血のりがベッタリ。それは青髭の過去の女たちの変わり果てた姿だった。
娘は恐ろしさのあまり部屋の鍵を血溜まりに落としてしまい、染みをつけてしまう。どうして染みが落とせなかった娘は、干し草の中に部屋の鍵を隠すが、そこで青髭が帰ってくる。
震えつつ鍵の束を青髭に返すが、小さな金色の鍵がないことに気付かれてしまう。約束を破ったことに青髭は激高し、その場で彼女を殺そうとする。
娘は必死に許しを請うが聞き入れられず、せめて死ぬ前にお祈りの時間が欲しいと頼み、青髭はその願いを聞き入れる。
娘が祈っている最中、偶然彼女の様子を見にきた兄たちが異変に気付き、持っていた剣で青髭を斬り殺す。
すんでのところで助かった娘は青髭の遺産を手に入れ、家族とともに実家に帰った……。
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