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続・怖い島・いわくつきの村


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078 2014/04/12(土) 08:17:38 ID:k2v/1ipSSM
     なぜ特定の島では犬を飼ってはいけないのか?

すでに前スレで田代島や篠島、当スレ>>28では長崎の青島のように、『犬を飼ってはいけない島』を取り上げてきた。
沖縄の『神の島』たる久高島でさえ、以前はダメだったらしい。古来より犬は日本人にとって従順な友であり、また頼れる番犬として重宝された。
にもかかわらず、それを飼ってはならないタブーがあるとは、ずいぶん厳しい縛りがあるものだと前から気になっていた。
いったいこれはどういうことなのだろうか?

簡単に復習しておきたい。
宮城県の田代島の場合(前スレ>>87を参照されたし)、島の大半の住民が漁師を生業としており、天候を察知してくれる猫は重宝がるため、
天敵である犬を飼わないようしたとか、あるいは『化け猫騒動』以降、化け猫の機嫌を損なわないよう、タブーにしたとも言われている。
同じく愛知の篠島のソレは(前スレ>>289を参照)、海神である『八王子様』が、犬というより畜生全般を嫌うのではないかと思い、タブーとしたとある。
>>28の長崎の青島では、昔の干拓事業の際、難工事を成功させるため犬柱を立て神様に祈願した歴史があることから、以来、犬は神の眷属として尊ばれ、
飼うのは御法度とされたと伝えられている。
また佐賀県の加唐島も猫だらけの島として知られている。犬は島の鎮守である八坂神社の神様の怒りに触れ、島に住めなくなったという言い伝えがある。

もっとも興味を惹くのは久高島の件である。久高の場合はいかなる理由か?
久高に限らず、琉球地方では風葬による葬制が行われていた。風葬とは特定の洞窟や山林、あるいは亀甲墓などに遺体を安置し、
そのまま風化するのを待つやり方である。
この葬制法だと周辺に野良犬がいると、遠方からでも嗅ぎつけ、遺体を食い荒らしてしまうのは明白。たとえ土中に埋葬されていたとしても、
犬なら掘り返してしまう。私的な体験だが、昔家で飼っていた兎が死んで裏山に埋葬したが、10日と経たないうちに掘り返されていた。
兎の遺骸がズタズタにされていたのは痛ましかった。同時に犬の嗅覚に恐れ入ったものだ。
……したがって風葬が行われている離島では、犬を飼うことは避けた習慣があったと思われる。沖縄や奄美ではかつて風葬が一般的で、
すべての離島が犬を飼うのを禁止しそうだが、とりわけ久高は神聖さに突出していたのでタブー化が目立ったのかもしれない。
もっともその久高も1960年代には風葬をやめた。以降、犬を飼う人も増えてきたようだ。

何もこれは離島に限定した話だけではない。
奈良県吉野町国栖地区にある窪垣内という約70世帯が暮らす小集落でも、古くから犬を飼ってはいけない決まりがあるらしい。
そのタブーはおよそ1300年前から守られており、犬を飼うと災いがあると言い伝えられてきたという。
地元の談によればこうだ。
西暦672年に起きた日本古代最大の内乱・壬申の乱。これは大海大皇子と大友皇子が皇位継承をめぐった争いだった。
この地に逃れてきた大海大皇子を、渡し舟の老人が機転を利かし、舟をひっくり返してその内側に大海大皇子をかくまった。
舟の上に食べ物を載せておき、偽装を図った。
そこへ大友皇子の追っ手とカグハナとミルメという2匹の犬を連れてかけつけた。犬はすぐさま舟の中に人の気配を察し、吠え立てた。
老人はそばに転がっていた石をつかむと、「食べ物に吠える卑しい畜生め!」と大義名分をかかげ、打ち殺してしまった。
大海大皇子の窮地を救ったということで、のちに飛鳥浄見原に構えた際、印を持って国栖の者が感謝の意を捧げにきたという。
こんな事件があってからというもの、窪垣内では犬を飼うと災いが起きると言い伝えられた。集落の神社には狛犬すら建てられていない。

……いずれにせよ各地には、いろんな歴史と理由から犬を飼ってはならないという話がありおもしろい。

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