「悪魔」ってのは、人間が生み出した「概念」に過ぎない。
理由は三つ。無知、責任転嫁、宗教対立だ。
まず無知の場合。
自然界には人知を超えたことが起きる。大地震、噴火、水害、旱魃、大雪。どれもこれも人間の手で完全に防ぐことは出来ない。
それを「自分たちを苦しめる超自然的ななにものか」の意図だと解釈する。
古代の人間はこれを「神」とは違う巨大な勢力だと考えた。つまりそれが「悪魔」である。
次に責任転嫁の場合。
人間は信仰心に反したことを意識的に行ったとき、その責任は100%自分であるにも関わらず、
そう思いたくないがために「自分を悪に導いたなにものかがいるはずだ」と思いたがる。
神を信仰する自分が悪を行ったのだから、悪を唆す主体が必要になる。それが「悪魔」である。
最後に宗教対立の場合。
人間は自分が信仰する宗教を信じないもの、あるいは真っ向から対立する宗教を信じるものを認められない。
これは一神教信徒が原則的に持つ考え方であり、他の宗教を信じることを認めるということは、自分の宗教・信仰心を否定することになる。
結局、他宗教が信じる何かは神ではないのに神だと信奉されているのだから、「悪魔だ」ということになる。
以上3つの理由により、「悪魔」という概念が人間社会に根付いた。
特にひどいのがキリスト教で、キリスト教以外を信じる文化を悉く「悪魔崇拝」だと断じ迫害し改宗を迫った。
なぜそんなひどいことが出来たのかといえば、「神は唯一」だからだ。
これを信じれば信じるほど、他宗教への寛容は無くなる。
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