「空飛ぶ円盤」の名が知られるようになったのが大体1950年代。
この40年間にアメリカで発生したUFO事件というのは基本的に、聖書の焼き直しのようなものが中心となっています。
100年ほど前までの西洋の一般大衆は、聖書に書いてあることをまるで疑わず、完全に信じ込んでいたわけです。
キリストが死後三日目に復活したとか聖母マリアから処女懐胎によって誕生したとか水の上を歩いたり水を葡萄酒に変えたりとか、
モーゼが杖の一振りで紅海を真っ二つに割ったとか、そういうテクニカラーなことを本気で信じることによって、
キリスト教文化圏の倫理観や価値観が保たれていたわけです。
ところが科学の発達によって、信仰が揺らいでしまいました。
情報の自由化や科学技術の発達によって、聖書に書いてあることを信じる人が減少し、
教会に足を運ぶ人も少なくなってしまったんです。
その昔は「雲の上には天国があって、神様や天使様がいらっしゃるんだ」なんて信じられていたんですが、
現代社会ではそんな話を信じているような人、まずいません。
科学が発展する前は、雲の上に「実在のもの」として天国があって、白いヒゲ生やした爺さんが、死んだ人の魂を
「はい有罪。こっちは無罪。有罪無罪有罪」と振り分けてるんだって本気で信じられていて、
そうした信仰が人々の精神的バックボーンを形成していたわけですよね。
ところが現在のキリスト教はプロテスタントもカトリックも、天国については「実在の天上王国」ではなく
「抽象的なものであり、この世界とは別の場所」みたいな見解を示しているんです。
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