「水子供養」の発祥は江戸時代といわれてはいるが、一般的に知られるようになったのは1970年代中ごろであり、
定着したのは80年代になってからである。
「水子供養」が広まった理由として「戦後にフリーセックスなど性の乱れが広がり、妊娠中絶をする女性が増えたから」
という説もあるが、人工中絶の統計を見ると、戦後最も中絶が多かったのは、1955年(昭和30年)の117万143件である。
つまり、戦後、妊娠中絶が減少していく中で、なぜか1970年代中ごろから、突如「水子供養」が流行しだしたのだ。
その理由としては、ある宗教団体と墓石屋が「水子地蔵」を大量生産・大量販売したことにある。
これが当たって大儲けした。
当然、他の神社仏閣や新興宗教団体もマネをするようになり、日本に「水子供養」が定着するようになった。
特に、檀家制度が破綻し経営が苦しくなった多くの寺院が、経済的利益のために大手墓石業者とタイアップして
水子供養を大々的に宣伝し始めたことが大きく影響している。
このように水子供養とは、思いのほか歴史が浅く、近年になって急に流行りだした霊感商法なのである。
江戸時代には、本来「水子」は神の子とされ、たとえ流産や死産、中絶をしたとしても、
それは神の元に帰るだけであり、そもそも「供養しなければ親を怨んだり祟ったりする」という発想すら無かった。
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