だが、マヤの暦の驚異的な精密さはすでに広く知れ渡っており、解読は最優先課題とされた。
何しろ、暦さえ解読できれば、各遺跡の石壁に刻まれた日付などで、正確に遺跡が完成した日が
確認できるのだから当然だろう。
ほどなくマヤ文明研究の第一人者である、グッドマン、マルテイネス、トンプソンの三博士の研究
によって、現在のグレゴリオ暦とマヤ長期暦との換算に使われる「GMT係数」なるものが発表さ
れた。現在に至るまでマヤ全土の遺跡調査と年代確定には、すべてこの係数が使われてきた。
ところが、近年、このGMT係数が完全ではないことが指摘されるようになり、ついにマヤ暦研究
の第一人者であるアメリカのロバート・ワナメーカー氏がこの間違いを認めることになった。
「世紀の計算ミス」の内容を大まかに説明すると、マヤ長期暦の1周期を約5000年として
グレゴリオ暦に換算した場合、4年に約1日増える“うるう年”を計算に入れていなかったという
のだ。つまり、5000÷4=1250日もの誤差が出ており、誤差を修正すると、マヤ長期暦の
終わりの日は、西暦2012年12月23日から1250日後の2015年9月3日になるという
のである。
ただし、これは「人類滅亡の日」が単に3年延期になったという話にとどまらない。新たに出てき
た「2015年人類滅亡説」は、思わぬ場所で波紋を呼んだのである。「マヤの人類滅亡の日」の
修正に慌てふためいたのは、エジプトの研究者、それも古代エジプト暦の研究家たちだった。
彼らはいったい何に驚愕したのか……。
http://wpb.shueisha.co.jp/2012/12/22/16096...
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