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怖い島・いわくつきの村・総合


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282 2013/03/09(土) 13:27:53 ID:WvGdMLfzEs
     犬飼村の猿神退治

久しぶりに村ネタすっか。

その昔、沢村(現在の姫路市香寺町犬飼)では、年に1度の氏神祭りに、神への供物と称して人身御供を捧げる悪しき風習があった。
ある年ついに、堤佐助(つつみさすけ)の1人娘に順番がめぐってきてしまう。まだ13歳の子だ。
「いくら氏神様のためとはいえ、我が子を生贄にするなんてできようか……」と、佐助は苦しみ悩んでいた。

そんな折、佐助宅へ伊勢神宮の教えを布教するために、芝左太夫(しばさだゆう)という男が、艶やかな毛並みをした犬を従えて訪ねてきた。
佐助はすがる思いで左太夫に事情を話した。
「人身御供とは野蛮なことを。ならば私が娘の身代わりとなり、氏神の前に行って事の真相をしっかと見届けよう」

左太夫は愛犬を伴い氏神の社へ向かい、社殿の戸を閉めて、中で待ち伏せすることにした。
すると、夜半すぎに突如戸が開け放たれた。
目の前に現われたのは、身の丈、人の背よりも巨体を誇る大猿……狒々(ヒヒ)だった。

狒々は左太夫に食ってかかってきた。
その瞬感、左太夫の愛犬が電光石火の反応を見せ、狒々に飛びかかった。そのまま格闘に持ち込んだ。
愛犬は強かった。ついに狒々を組み伏せ、のど笛に噛み付いてとどめを刺そうとしたとき、狒々はタヌキへと姿を変え、
脱兎のごとく山へと逃げていった。

氏神の正体を知った村人は考えなおし、以来、この村では人身御供の風習はなくなった。
また左太夫が伝えた伊勢の神を氏神として祀ることにした。
さらに村の名前も、沢村をあらため、犬飼村と呼ぶようになったという。


ひょうご伝説紀行−妖怪・自然の世界−
http://www.hyogo-c.ed.jp/‾rekihaku-bo/historystation/legend3/html/011/011.html

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