補陀落渡海追記3
僕の自宅から車で走ること50分足らずのところに、和歌山県は那智勝浦町の補陀落山寺がある。
このスレッドに紹介しておきながら、今の今まで訪れなかったのは怠慢以外のなにものでもあるまい。
思い立ったが吉日。さっそく今日の朝、足を運んだのだ。
那智勝浦町浜の宮の国道43号線沿いにその寺はあるのだが、どちらかと言うと、
さらにこの道を進んだ先にある名勝、那智の滝の方が全国的に知名度が高いだろう(ちなみにこの道中こそ、
昨年9月の紀伊半島豪雨で甚大な被害をもたらしたエリアでもある)。
土日となると那智の滝は観光客でごった返すものだが、案の定、アングラ的な存在の補陀落山寺は訪れる客もまばらであった。
境内はそこそこ広いが、閑散とした雰囲気。
かるく樹齢500年は超えていそうな極太の杉の大木がそそり立ち、はるか上は樹冠で太陽光が遮られ、
炎天下にさらされた駐車場とは打って変わってひんやりしていた。
そのなかで一際目を引くのは、やはり渡海船の原寸大の模型だ。
屋形を取り囲むようにして取り付けられた4つの鳥居。それぞれが『発心門』『修行門』『菩薩門』『涅槃門』の4門を意味している。
修験道の葬送作法によれば、死者はこの4門をくぐって浄土往生すると考えられていた。
同時に、渡海船がそのまま葬送の場(殯・もがり)であったともいえる。
殯 Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AE%A...
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