5次元文庫 「異次元に広がる超文明世界の謎」という本に
ケネス・ベーコンという人の体験談が書かれている。(本の55p)
1976年8月、オクラホマ州タルサから小型飛行機で氏は飛び立った。
離陸して1時間くらいで奇妙なことが起こり始めた。
何ともいえない気分になり、機内は摂氏29度あった温度が15度まで下がっていた。
落ち着きを取り戻したベーコン氏は、先ほどまで雲ひとつ無い青空だった空が
おびただしい量の不可思議な雲に覆われているのに気付いた。
その雲は白と黒の奇妙な状態で渦を巻いている。
その雲が機体を包み込もうとしていたので、そこから逃れようと地上を見た。
すると地表には激しい砂嵐が吹き荒れていて不時着できない。
しかし左前方の雲の切れ間に、太陽に照らされた大きな飛行場が見えた。
その飛行場の名前を地図で調べると「ハビット飛行場」と書かれている。
おかしなことに、飛行場の管制塔使用する無線の周波数が書かれていないため連絡が取れない。
高度を下げると、大きな飛行場なのに全く人気が無かった。
嫌な予感がしたが、連邦航空局と揉めるのを覚悟して氏は不時着した。
ベーコンはなぜか「根無し草」という言葉を思い浮かべた。
滑走路の隙間といウ隙間から雑草が伸び、管制塔の窓は割れ、中は荒れ放題だった。
芝刈り機の横には蓋が開いたままの工具箱があり、その傍らには魔法瓶、半分コーヒーの入ったカップが埃をかぶっている。
「ここはあの世とこの世の中間にある世界に迷い込んだのだ」
早く脱出しないと二度と帰れなくなると感じたベーコンは飛行機に乗り、あの雲の切れ間に
突っ込んだ。雲海を抜けると視界が開け、見慣れた飛行場が見えた。
そこで整備員に起きた事を話すと、彼は血の気が失せ、逃げるように後ずさりし、
「あそこは誰もおりないんです。何かとてつもないことが起きてるんです」
と言い、逃げ出してしまった。
自分の体験を地元の新聞記者に話すと、記者はさっそく問題のハビット飛行場に
電話をしてみた。意外にも、生きた人間が電話に出た。しかし男の話は異様なものだった。
「そうよなぁ、俺は根無し草みたいなものさ・・・」
という言葉を繰り返すだけだった。そして電話の切り際に、
「ここは古い軍の基地なんだよ。それしか言えない・・・」と言った。
男が「根無し草」という言葉を口にしたことを知らされたベーコンは、
全身に鳥肌を立てて恐怖した。(あとは本を立ち読みでもしろ)
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