山賊村の村長はペテン師
三重県津市(以前は美里村だったが、2006年に津と合併。現在は津市美里町)の山中を進むと、
広大な土地が開けているのだが、僻地にふさわしくないペンションが乱立しているのだ。
ところが今では長年の風雨にさらされ、不気味な廃墟と化している。
近隣の地元の人は吐き捨てるように、こう呼んでいる。……『山賊村』と。
現在、山賊村では自らを『村長』と名乗る年老いた男がたった1人で住んでおり、ペンション経営をとうの昔に辞め、
自然食を食べさせてくれる『長寿郷協会』なる私設道場を開いている。
ネットで調べると、近くに同じ名前のアウトレットモールやレストランがあるらしく、
時折、県外の人たちが誤って足を踏み入れてしまうケースがあるそうだ。
しかし、あまりの異様な光景を目の当たりにし、慌てて逃げ出す人がほとんど。
村長の評判は最悪だ。
「あいつは大ペテン師だ」「あんな人間とかかわるのはやめた方がいい」「あの詐欺師に、まんまと嵌められた」
……などと、近隣住人が罵るにはワケがある。
過去になにがあったのだろうか? 近隣住人の1人が告白する。
「あそこはかつて村長の私有地だったのです。数十年前に、あの人にこう持ちかけられたんです。
『近いうち、この近くに空港が開発されることになった。とすれば、このあたりも観光地になるに違いない。
工事関係者から極秘に入手した新空港建設プロジェクトに乗っかり、私の所有する土地を山賊村と名づけて、
自然と触れ合えるテーマパークにしようじゃないか。土地を安く譲るから、ペンションを建てて儲けないか?』と」
村長は口が達者な男だったらしく、地元住人の多くが賛同し、こぞって山賊村予定地内に土地を購入した。
そのころから、山中には不釣合いなオシャレなペンションが林立していった。
ところがいくら月日が経っても、そんな僻地に空港が開発されるはずもない。
土地購入者たちはようやく騙されたことに気づいた。怒り狂い、みんなして村長のもとへ怒鳴りこみに行ったものの、
購入の際に契約書を作っておらず、口約束のみで資金を投入したので、ペテンにかけられたことを証明することにならなかったのだ。
騙された方も悪い。欲に目がくらんだ負い目があるだけに、裁判を起こすまでには至らず、泣き寝入りするしかなかった。
僻地のペンションなど、客が押し寄せ、繁盛するはずもない。廃墟と化すのに時間はかからなかった。
今でも村長は山賊村に居座っている。
※下記のURLは、山賊村に単独潜入を試みた猛者のブログ
http://blog.livedoor.jp/tokaimakai/archives/50190176.h...
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