知性的愛国


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001 2023/09/30(土) 13:03:27 ID:svF7XQQ4HI
実在の植物学者、牧野富太郎がモデルの朝ドラ「らんまん」が昨日最終回を迎えたが、
この人のやっていたことは、植物学研究という点で未曾有だっただけでなく、
思想哲学的にも大変重大な意義を帯びていたように思われる。

その在り方を一言で述べるなら、「知性的な愛国者」だったといえる。

近来、右翼は頭が悪く、左翼は頭がいいというのが大多数の潮流となってしまい、
主に大学教授陣で占められている学術会議なども、あまりにも思想が左巻きの反日に過ぎることから、
政府機関への干渉に抑制がかけられる動きなどもあったわけだが。

牧野の場合は、東大教授も顔負けなほどの碩学でいながら、
その知識や研究力をもっぱら日本の学術水準の向上のために費やし、
時には神社の森の破壊に反対して大学を辞職するほどの頑固ぶりでもあった。

その生き方には、そんじょそこらの右翼や自称保守などが尻尾を巻いて逃げ出すしかないほど
高度で深遠な愛国心が具わっていたのにも違いなく、それはあくまで高い知性に裏付けられた姿でもあった。

むしろ、それこそが本物の愛国者の姿であり、利権の甘い汁を吸いたくて体制ゴロでいるだけの
似非の愛国者などは、それと比べれば偽物止まりでしかないとわきまえるべきなのだといえる。

あまりにも今の時代に皆無な人種ではあるが、
愛国者たる者かくあるべきという模範となっているにも違いないのである。

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002 2023/09/30(土) 13:38:19 ID:svF7XQQ4HI
今の日本にはインテリの右翼、保守というものがほぼ存在せず、
かろうじて西尾幹二などが保守系の学者としての地位を得て来たが、
西尾が愛国的な思想というもの自体を模索して来たのとは違って、
牧野には思想体系としての愛国なんてものはなく、
豊かな草花の生い茂る日本という国への愛情を専ら、
植物学研究という一種の専門分野への挺身に落とし込んでかかったのである。

机上の空論としての愛国なんてものはそこになく、ただひたすら実践としての愛国のみがある。

しかも、左巻きの有力者を暗殺したりするような(浅沼稲次郎暗殺事件など)、
安直な真似ではなく、オックスフォード大の教授も「真似できない」と驚愕して降参するほど、
(この前、牧野植物園に来園していた教授が牧野の植物図を見て発言していた内容)
世界最上級の知性の持ち主としての長所を最大限に活かした、国士無双の試みだった。

自己完結した愛国のための愛国、右翼のための右翼なんかには何の生産性もないが、
牧野の試みこそは、日本の植物学の独立自尊のごとき大功績を挙げ、自国の植物を知るために
欧米の大学に通わなければならなくなるような情けなさを日本から廃絶することにも成功した。

机上の空論、絵に描いた餅な愛国ではなく、食べられる餅、実践としての愛国の理想像。
愛国の何たるかもまた、本当は後者にこそ見出して行かねばならないのである。

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003 2023/09/30(土) 15:04:59 ID:svF7XQQ4HI
牧野の愛国は、知性的な愛国であったが故に、「与える愛国」でもあった。

豊かな知見の醸成によって、日本の文化大国、文明大国としての発展に貢献する、生産的愛国。

いま保守、右翼を自認しているような連中の愛国は、「奪う愛国」である。

日本では数少ない保守系大学である慶応大学なども、在学中からのレイプ魔だらけで、
卒業、就職後も中抜きピンハネで自分たちばかりがいい思いをしようとする、消費的愛国。

自分たちがより権益をかすめ取るためとあらば、着実な文明発展を企図している研究職や、
文化的隆盛を企図している創作者をも抑圧、排除しての、社会中枢へののさばりをも目論む。

そんな連中こそが愛国、保守を自称し、自己正当化の拠り所として利用しているために、
愛国の印象も最低劣にまで悪化し、むしろ良識的な人間が掲げるべきものではないともされつつある始末。

それは、仮に愛国だった所で負の愛国、愛国のダークサイドでしかなく、そのような愛国に限っては、
ならず者の免罪符扱いで非とすべきだが、それとはまた別に光の側面の愛国というものもあり、
たとえば牧野富太郎などがその生き方によって具体例を示してくれているのである。

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