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続・怖い島・いわくつきの村


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216 2015/07/04(土) 11:55:43 ID:3IwzxmnZEk
     クロ宗の死の儀式は存在したのか? その考察15

>藩政時代の鹿児島では処刑された犯罪人の生き肝を取る事が公認されていた。「冷えもん」とは肝の事である。
>現在の鹿児島市電の二軒茶屋停留所から山に入った所に、「サカセド刑場」があった。
>そこで行われるのが冷えもん取いである。打ち首によって首が刎ね落ちると、刑場をとりまく兵児は一斉に胴体に取りつき短刀で腹部を切り裂き肝を取り合った。
>鹿児島には特産の秘薬「浅山丸」があるが、それが「冷えもん」で作られたという。つまり兵児たちにとってはそれが臨時収入であったのである。
>それは同時に生贄として他人の命を救う秘薬となった。「浅山丸」は今もあるが、今日ではおそらくそれは鹿か何かの動物の肝であろう。
>ではクロ教の場合、供犠として切り出された心蔵はどうなるのか。「六神丸」になるのだと周囲の村はいう。
>何も驚く事はない。死んだ人間の蔵器が他人の病いを癒す。これは現代、正当化され行われている蔵器移植の類型である。

>サカヤは村を支配するほどに財産家であり資金力が豊かである。
>それであってこそサカヤとクロ宗は存続し得たのである。その財力は生き肝にあると言われている。
>こういう話はすべて「脱け」(註:村から追い出された人たちのこと)からの聞き取りである。
>そこで「脱け」以外からの、外の村の人間からの聞き取りも一つだけ挙げておく必要があるだろう。下甑村立の歴史民俗資料館の調査員氏である。

>彼の父親は大工であったという。手打の港から片野浦へ、屡(しばしば)、家を建てに通ったという。
>作業中のある日、死人が出たので棺桶を造ってくれと頼まれ寝棺を造った。
>見ていると入棺の儀式が何と畳を剥いで床下で行われたという。儀礼執行人が床下から這い上って来た時、何故か、全身が血痕で真っ赤に染まっていたという。
>そして一升瓶に詰められた血を見たという。昭和21年の事である。

>扨、この種の聞き取りをどれだけ積み重ねても実証性の保証には届かない。問題は受容された表層宗教が隠れという長い時間のなかで基層土俗へと沈殿する。
>この場合、宗教学の概念では「変容」と呼ばれて来た。だが基層土俗の内容は神秘という皮を一皮めくれば現世利益である。
>だからこの場合、変容ではなくて現世利益への「転換」ないしは「置換」と言える。要するにすり換えである。
>隠れ離れという条件の如何に関わらず、もともと日本人の一般的受容の態度はこの現世利益にある。
>信仰としてでなく文化としてしか受容しなかったとすれば、それは現世利益という現実的功利性の故である。
>生贄という秘儀には罪の贖いというより冷徹な現世利益がより深く絡まっている。

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