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続・怖い島・いわくつきの村


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169 2015/01/01(木) 07:20:51 ID:ZG/mlLfMb2
     クロ宗の死の儀式は存在したのか? その考察6

ところで、ここで指す『生き肝』とは『肝臓』を表すのか、それとも『肝を冷やす・肝をつぶす』という慣用句があるように、
『心臓』を指すのか、いまいち判然としない。
我々が魚や焼肉の『キモ』を食べる際、店で注文して出される部位は『肝臓』で間違いない。
ところがクロにとってのソレは『心臓』を示唆するのではないかとの見方もあり、一概に決め付けるのは性急すぎる。
そもそもなぜ『生き肝』なのか? 個人的に『生き肝』というキーワードで真っ先に思い浮かぶのは『安達ヶ原の鬼婆』だ。
福島県二本松市の有名な伝説『安達ヶ原の鬼婆』では、乳母・岩手が理由あって旅人を襲い、生き胆を取り出すくだりがあるが、
やはりこの生き胆は心臓のことを示すようだ。
生き胆を取り出し、それを食するという話は古代中国でも散見されるらしい。
生体から取り出したナマに臓器に、そんな難病を治癒するほどの効能・栄養価があるのだろうか?

肝臓か心臓か。いずれにせよ、『信者の核となる肉片』というシンボルと解釈すればよいはずだから、これ以上追求せずともよかろう。
別資料によれば、他の信者らがその生き血を飲むことで、死にゆく人と一心同体となる意味で体内に取り込むのだという。
肝を少しずつ切り分け、みんなが一口ずつ食べる行為とは、生き血を飲むという倫理に反する事実を運命共同体としての『口封じ』の意味合いが
込められていると考えられる。なんともグロテスクなイニシエーションだ。こんなカルト教団が現存する(した)とは俄かに信じ難い。

誤解を招くといけないので念を押すが、『鬼無鬼島』の猟奇的な部分ばかりをクローズアップしてしまったが、内容は極めて誠実な文学作品である。
古臭く頑迷な現状を変革しようとする者(作中ではサカヤである用賀家成が対応)と、若者特有の、理不尽な物事を変革どころか、
打ち壊して無に帰してやりたいと思う主人公を対比させる物語であって、シチュエーションが特異なだけで俗っぽいウケを狙ったものではない。


サクラメントwikipedia
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安達ヶ原・観世寺
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ヒトに由来する生薬wikipedia
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屍体と民俗 中山太郎
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