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続・怖い島・いわくつきの村


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111 2014/06/22(日) 13:39:24 ID:5kWaFLw7Xk
     なぜ特定の島では犬を飼ってはいけないのか? 続き2

>式根島は無人島で、隣の新島から耕作や木草を刈りに渡ってきていた。そのころに、島で犬を連れていってはならないというのは、
>かつてその島が葬地であったからでも、犬が猫の敵だからでもない、と私は考えている。
>犬を連れていってはならないというのは、それが特別な意思表明の行為だったからである。新島の共有地である無人島で犬を飼うということは、
>島の土地の占有、あるいは移住定着の意思の表明であったのではないか。
>その土地や島を共同管理する村では移住が認められたときに犬を連れていってもよかったのであろう。
>だから、むやみに犬を共有地である無人島へ連れていってはならなかったのである。

>塚本学(※日本近世史を専門とする歴史学者。国立歴史民俗博物館名誉教授)の研究によると、江戸時代、犬を飼うことを禁止する村の申し合わせがあり、
>その理由には、狂犬病の流行に対する措置、犬が畑を荒らすことに対する防御、倹約の3つがあげられる。
>第3の理由を見ると、犬を飼うというのは経済的に余裕のある人の行為である。その行為を禁止するというのは単純にいえば倹約のためであるが、
>倹約を禁止する根底には「ある社会のなかで一般のメンバーに対する優越者の地位を顕示する動きをおさえる役割をもつものであった」と、塚本は捉えている。
>また、犬を飼うというのは一種の武力行使でもある。
>「犬を飼うことによって、一般村民とはちがった、一般村民に対してなんらかの力を奮おうとする者が出現することへの警戒が、この規定を生んだ」のであり、
>「村中の申し合わせとして犬飼育をおさえるのは、村内特定家の武力独占を排除するという意味で、つきつめて言えば小農自立傾向と相応ずる面をもつかにも
>見えるのである」とまとめている。

>村の特定の家が犬を飼うということに、野獣や盗賊に対する番犬としての役割だけでなく、その奥に、経済力や武力の顕示と支配関係の創出が捉えられる。
>犬を飼うということに権利や支配の示威行為を見出したのは塚本の卓見である。
>犬を飼うことは他者に対する何らかの示威行為である。それでは、近代の移住開拓島ではどのような示威行為になるのであろうか。
>移住開拓島の飼い犬はワタクシ(私有)の象徴である。移住開拓島に犬を連れていくというのは移住定着と土地占有の意思を表している。
>ゆえに、むやみに犬を連れ込むことは禁止されるのである。村の共有地になっているような島へ渡るときには土地占有の示威行為となるため、
>犬の持ち込みは禁止されたのである。


移住開拓島の民俗学ノート(一) 野地恒有 
http://repository.aichi-edu.ac.jp/dspace/bitstream/10424/3650/1/...

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