意味がわかると怖い話５

何気なしに目を向けたそこに彼女はいた
偶然視線が合ったその瞬間、僕は恋に落ちた
彼女は真っ直ぐに僕を見つめている
ついさっきまで泣いてでもいたのだろうか？
何処と無く愁いを帯びた瞳、風になびく長い黒髪
袖から伸びる細い腕は透き通るかのように白い
まるでこの世のものでは無いかのような幻のような美しさだ
…幽玄とでも言うのだろうか？
もちろん幻や幽霊ではない。しかし、とても弱く儚い感じを思わせる女性だ
誰かが守ってあげなければすぐにでも壊れてしまいそうな…
彼女は真っ直ぐに僕に近づいてくる
僕は金縛りにでもあったかのように動けない
ついさっきまで煩いくらいに聴こえていた街の雑踏、喧騒が今は聴こえない
心臓が早鐘のように鼓動を打ち全身が熱くなる
こんな出会いは普通なら一生に一度すら無いだろう
ああ
彼女と結ばれて一つになれるとしたら僕は死んでもかまいやしない
他人が聞いたら本当に馬鹿馬鹿しいと思うだろうけど
神様に祈りながら僕は、目の前の彼女を迎えるように両手をひろげた
すると彼女は戸惑うような表情を見せた

そして僕の願いは叶った


少し前に作ったやつですがいかがでしょうか

返信する