マイマイカブリネタを改良したので一読あれ。
マイマイカブリの詩
黒くて、見ようによってはスミレ色に見える硬い甲羅の持ち主たるマイマイカブリである僕は、今日もまた暗い森を彷徨う。
枯葉が降り積もる静謐の箱庭で、ひたすら獲物であるカタツムリを求めて這いずり回る。
僕は求めるのだ、やわい肌をした無垢のカタツムリを。
椎の木の幹に、それはうずくまっていた。まるで待ち侘びていたかのように僕の到来を。
だから勇んで挑みかかった。
すかさずその硬い殻に潜り込み、柔らかい肉に食らいつき、肉汁をすすり出そうとした。
殻の中で、食われまいと抵抗するマイマイの面貌と対面した。
それは彼女だった。17のころの化粧っ気のない素顔が空洞の奥で笑っていたのだ。
僕はそっと彼女の首根っこに噛み付き、とっておきの消化液を注入した。
途端にまどろむ彼女の寝顔は美しい。僕はその柔肌を噛む、噛む、噛む。ひたすら噛む。
君よ、僕に吸収されるがよい。そして栄養素となり、僕の体内をカケメグレ。
マイマイの彼女よ、君には腕がない。相手を抱きしめる腕がない。
しかし君の愛で抱きしめて欲しい。どうか君の愛で抱き殺して欲しい。
僕はマイマイカブリ。君の愛を求めて暗い森を這いずり回る。
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