意味がわかると怖い話5


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216 2013/05/20(月) 16:45:39 ID:DCM9WCAx1o
信じてもらえないかもしれないけど、うちのマンションのエレベーター、天井にいつでも誰かが乗っているんだ。
8階建て賃貸マンションで、俺は5階の部屋。
エレベーター使わないことも出来なくはないけど、やっぱり辛い。
入居した当初から、人の気配と言うか、体温、息遣いみたいなものを感じていた。

でも気のせいだと思ってた。気のせいだと思って無視していた。
他の住民もうすうす感じているようで、みんなエレベーターに乗ると黙り込む。

黙ると余計気配は強く感じるし、まして一人で乗った時なんかは、
後ろの壁にぴったり背中をくっつけていても、まるで鋼板一枚隔てた外に
誰かが立っているみたいに、強烈に気配を感じるんだ。

でもそんな馬鹿な事あるわけがない。
エレベーターは点検しているはずだし、何かしらあったら絶対点検員が気付くはずだ。

管理人さんにそれとなく聞いてみた事がある。
「こういう機械モノって、定期的に点検していても、やっぱり怖いっちゃあ怖いですよね。
自動車の車検とか、エレベーターの点検とか」
管理人さんは笑って言う。
「なんか一時期ありましたからね、うちのエレベーターはちゃんとしてますよ」
「ですよね」
「はい、問題起きては大変ですから」

管理人さんは住み込みではなく通い。
管理人室は一階だし、掃除は階段を使うらしい。
エレベーターに乗る機会が無いからだろうか、なんの不安もなさそうに笑っている。


で、昨日は運悪く疲れており、他に乗る人もおらず、少し逡巡した後、一人でエレベーターに乗る事にした。
乗り場のボタンを押すと、音も無く扉が開く。
無人のエレベーターに乗り込み、くるりと向きを変えて室内のボタンを押す。「5階」。
扉が閉まり、スッと上昇を始めた。

・・・2・・・3・・・

いつもより遅く感じられる。
もちろん、乗った途端、ナニモノかの気配を感じているが、あえて無視する。

4・・・

馬鹿馬鹿しいかもしれないが、俺は極度に緊張している。

・・・5。

目的階に到着し、扉が遅滞なく開く。思わず安堵の溜息をついてしまう。
外には、エレベーターを待っていた人が一人いた。
その人は目を見開き、声にならない叫び声をあげて白目をむいた。その場に倒れる。

俺はその人の横を通り抜けると、自室へと帰った。
エレベーターの上の気配なんかありえない。俺の気のせいだ、と思いながら。

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