子供のころ、こんな残酷な遊びをしたものだ。
カブトムシ、クワガタ(ヒラタかコクワだったはず)、カマキリ、カミキリムシ、コガネグモ、
オケラ……などの昆虫を捕まえてきて、一つの箱に放りこむのだ。
このとき透明のフタをかぶせ、中が観察できる状況にする。
すると、箱の中では壮絶な異種格闘技戦というか、バトルロイヤルが始まるのだ。これは凄まじい見ものだぞ。
意外や意外、カブトムシやクワガタはこのバトルになったら、逃げ腰になって話にならなかった。
さすがの好戦的なカマキリも甲虫には歯が立たず苦戦を強いられ、ましてやクモやオケラはかなうはずがない。
そのなかでダークホース的な活躍を見せたのがカミキリムシだった。
カミキリはかなりのファイター気質で、クワガタを押さえこんでマウントを取るなど、予想外の強さを発揮したものだ。
この実験を冷静に観察していると、あたかもアウシュビッツの研究員にでもなったような気分になり、不謹慎ながら興奮した。
このバトルにスズメバチを加えれなかったのは残念だ。きっとアレは暴れまくるにちがいない。
余談であるが、古代中国では、虫を使った呪術(巫蟲)が存在した。蟲毒(こどく)と呼ばれる技だ。
毒の抽出方法は、容器に多数の毒虫を入れて共食いさせる。最後に生き残ったもっとも生命力の強い虫の毒を取り出し、
呪術に使ったらしい。
ずいぶんあとで知った知識だが、ガキのころのおれは似たようなことをやってたのだな……
ちなみにメスのカマキリ同士を戦わせると、とんでもないグロな展開になる。
たがいの身体に咬みつき、緑色の体液を流しながら貪り食らうという地獄絵図に。
当分、肉類が食べられなくなること請け合い。
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