─封印されし集落─
もう何十年も前になりますか
兵庫南部にあった山深い村、現在の・・・仮にK市と呼びましょうか
古くから続く村があったんですが、ダム建設のため村はダムの底に沈むこととなった
勿論、村人はみな大反対ですよ
ご先祖様から受け継いだ土地ですよそう簡単には捨てられない
とうとう建設に取り掛かるその日も村人は頑なに村を離れなかった
そしてダムは完成したそうですよ・・
村人達は最期まで村に残り、村と共についえる、哀しい道を選んだそうです
ええ・・・お察しの通り、今もダム底には村人達が沈んでいます
そして、当時のままの生活をしてるんだ
満月の夜にダムを訪れると、水が全て干上がってることがあるらしいんだ
気付けば気付くし、気付かなければ気付かない、うん
そしてそこに見えるのは、
子供達の駆け回る姿、一家団欒の家、牛飼いの青年・・
往時の村の生活がまさに変わらず営まれてるんだぁ!!
おかしいじゃない?
もう何十年前の村の様子がですよ?目の前に広がってる
こんなことありえるわけがないんだぁ!
そして、フゥッと我に返るといつも通りの変わらぬ湖面が広がってる
月夜の湖ですよねぇ、
満月に照らされてキーラキラ輝いてる
ヒョイッと見るともなく湖面を見た瞬間、うぅーっ!?
なんと、数十人の村人が湖面から首だけ出してニィーって笑って、
「つ〜めてぇ〜よぉ〜〜つ〜めてぇ〜よぉ〜」
って言うんだよぉ!!
つまりこの湖の柵から向こうは、あの世なんですよ
そんな話がありましたねぇ・・
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