高校時代に見た夢でよければ……
当時、やたらと何者かに追いかけられる夢を見ていたものだ。
なんらかの焦燥感に捉われていたんだと自己分析する。
そんなとき、一風変わった夢を見た。
夢の中でおれは道を歩いている。空は赤黒く、禍々しい雰囲気を醸し出している。
すると前方から爆音とともに、無数の何かがやってきた。
バイクの群れだ。時代を感じさせるサイドカーをつけたバイクまでいる。
なんと乗っていたのはどれも骸骨だった。革ジャンを身につけた骸骨どもがバイクを走らせているのだ。
スケルトン・ライダーどもはおれの前に停まり、立ち塞がった。
お互い、何か言い合ったような気がしたが、よく憶えていない。
そのうち、中央のリーダー格とおぼしい骸骨がどこからともなく一枚の紙切れを取り出した。
そしておれに、その紙にサインしろと迫るのだ。
リーダー格が何を言ったかは憶えてないが、言わんとすることは理解できた。
要はその書類にサインすれば、今後、追いかけられる夢を見させないと約束する、みたいな内容なのだ。
おれはしっかりサインした。
夢はそこで醒めた。
……しばらくの間、確かに追いかけられる夢は見なかった。
が、ふた月もすれば、やはり元の木阿弥だった。
いずれにせよ、奇妙な夢だといまだに憶えている。たまに、気の合う友だちとなら、話のネタに使ってるくらいだ。
返信する