サンタの人形見て顔を思い出したから書く。
もう四十年以上昔の夏の昼下がりの話。
福岡の筑後地方の羽犬塚という田舎町。
当時幼稚園児で、おやつに10円のチロルチョコ(金色包装紙ので中のヌガーが繋がってたやつ)もって一人でザリガニ釣りに行った。
小一時間ほど歩いた小川に掛かる小さな橋、と言っても川幅は2mそこそこで水深は50cmほど、丸太で出来た橋から水面までも50cm位。
周りは林がぽつぽつとある位で民家は無い。
その橋の上に寝そべって、イリコ結わえた糸垂らして釣っていた。
なぜかいつもの様に釣れず、???と考えながらチョコ食べてたら突然「何ばしよっとか!」と男の声が。
回り見ても誰も居ない、あれ〜?と思ってたら又「何ばしよっとか!」良く見ると2〜3m先の上流の川面に男の顔が浮かんでる。
大きさは人間の倍以上ある顔が。
怖いというのを感じず、素直に「ザリガニ釣りよる」と答えると、その顔がす〜っと橋の下まで来た。
体は見えない、と言うか見た記憶が無い、顔だけ。
何か会話をしたと思うがよく覚えていない、ただ食べてるチョコの事を聞かれたので1個分を折って大きな口に入れてやった。
ずっと無表情だったのが甘い甘いと喜んでいたのは覚えてる。
もうすぐ雨が降るからはよ帰れ、みたいな事を言われて帰ると、自宅に着くと土砂降りになった。
その顔に遭ったのはそれっきり、ただそれだけの話でオチが無くて申し訳ない。
後あるのは「カッパの影」と「あぜ道歩く日本兵」あ、これは幽霊か。
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